電気を消して皆既月食を見る

 17時半すぎ、外も暗くなってきたのでカーテンを閉めたら、皆既月食が見られなくなるじゃん!と子供に言われ、そうか今日はそういう日だったかと思い出し、再び開ける。

 18時すぎ、他の先生が「そろそろじゃないか?」と言い、外を見るが、部屋の照明のせいで室内が窓ガラスに映り込んでしまい、まともに見えない。そこで、照明を一部落とし、大きな高窓から外を眺める。

 

 あれかな?

 見えた!

 三日月みたいになってるやつ?

 と、様々な声。

 

 それでも見えない、という子がいたので、室内の明かりをすべて消した。他の先生に場所を教えてもらいようやく見えたとのこと。部屋が真っ暗で怖いと言い出す子がいるかなと思ったが、意外にもいなかった。

 まだ子供がいるのに、部屋の明かりを消すというのが今までにないことで、また、みんなで同じものを見て、次は200年後らしいなんて話をして……特別な体験だった。

 

 13時すぎ、上司に退職を告げたこと。子供たちに、来月いっぱいでやめることを来週の月曜日に告げると決めたことも、感じ方に影響を与えたんだと思う。それを告げることで、子供たちとの関係が変わってしまうことが少し怖いなと思っている。